2008年07月31日

磯崎新の「都庁」〜戦後日本最大のコンペ〜

磯崎新の都庁.jpg
以前紹介した『光の教会〜安藤忠雄の現場〜』の著者である平松剛氏が、7月に新作『磯崎新の「都庁」〜戦後日本最大のコンペ〜(文藝春秋)』を出版されました。

現在、新宿に建っている「東京都庁舎」は、1991年に故丹下健三氏の設計した建物です。
丹下健三氏は、今更説明する必要が無いと思いますが、世界的に活躍した日本建築界の巨匠です。
丹下氏は、磯崎新氏の師匠でもあり旧都庁(丸の内・現東京国際フォーラム)の設計者でもありました。

都庁の設計は指名コンペ方式となり、その指名を受けた9者の中に丹下氏と磯崎氏が入っておりました(丹下氏の師匠である、故前川國男氏も)。
コンペは1985年に概要が発表され計画開始、翌年に提出・審査・決定となり、その実施案が丹下氏による現都庁です。

私が学生時代に、東京都庁の建設が行われており、建設中に全コンペ案を雑誌で見る事がありました。
高層案しかない中に、唯一の低層案が磯崎氏の作品でした。
それを見た時、高層案の中にある低層案に反骨精神的に感じたことや、シルクスクリーン印刷を使い絵画的に表現した図面など、驚きと感動を感じた事を今でも覚えています。
また、それと同時に『何故、この案が選ばれなかったのだろうか?』とか『政治的に見ても、出来レースでは?』と思いました。

今回の内容は、このコンペに指名された日から磯崎案を中心に丹下案を含んだ完成までの道程に、その当時から師弟関係だった過去にさかのぼったり事で、二人の関係だけでなく現在活躍する建築家の当時が窺えたりします。
読み応えのある内容でした。

このコンペを知っている人はもちろん、建築関係に東京や都庁に関係する方にもお勧めします。

最後に、今でも私は磯崎氏の都庁が建っていればと思っています。まさに、幻の都庁です。
posted by nabay at 17:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
私もこの本読み終えました。面白いですね。ほんと、克明に建築家たちのことが描かれてますね。あっという間に読んでしまいました。磯崎の人物像も興味がわきます。
また、お邪魔します。
Posted by 自由なランナー at 2008年09月24日 07:48
自由なランナーさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

私も、過去からコンペ後までと様々な時代を書かれているのに、流れるようにまとめてあるので、読みやすく感じました。

また、見に来て下さい。
Posted by nabay・suzuking at 2008年09月24日 12:39
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