2010年01月29日

耐震偽装

耐震偽装.jpg
風化してしまった事件ですが読んでみました。
しかし非常に考えさせられる、内容の濃いものでした。

そもそも何故このような事件が起こってしまったのか?
事件の背景には何があり、本質は何だったのか?

もちろん事件を起こした設計士のモラルの欠如があると思いますが、
偽装を可能にさせている制度や構造計算プログラムも大きな一因だったのでしょう。

著者は国交省が認可した構造計算システムの不備や法体制の甘さ、意図的に歪められた事実、利権がらみの政治家を巻き込んだ隠蔽工作、マスコミによる情報操作等が国家ぐるみで行われていたことを暴露しています。

結局は連日報道された事件関係者だけを悪者として祭り上げ、何らかの理由をつけて逮捕することで国民感情を納得させ、事態を収拾させたことは国家の策略だったのだろうと改めて感じます。


この事件で忘れてはならないことが3つあると思います。

1つめは、安心・安全を得るための法整備は当然のことですが、設計者自身も社会的責任を改めて認識すべきでしょう。

2つめは、逮捕された姉歯氏が関与していない建物でも、耐震偽装が見つかって隠蔽されていること
何故ならそれは事件が発覚してから約半年後、当時の国土交通大臣が非姉歯物件103件をランダムサンプリングして構造計算書の偽装改ざんの有無を調査した結果、少なくとも15件(14.5%)という驚くべき確率で改ざんされ、建築基準法を満たしていない事実を国会で発表しているからです。
つまり、事件で公表された建物は氷山の一角に過ぎなかったのです。

そして3つめは、今もって被害者の方々が精神的苦痛や多額の住宅ローンを負わされているという事実です。
posted by suzuking at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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