2016年03月16日

花より建築?

暖かい日と寒い日が交互に訪れ、更に花粉が飛び始める今日この頃。
そろそろ、お花見の話も出始めています。

お花見も良いけど、建築も合わせて楽しみたいと思うところが、職業柄的な病気
そこで、首都圏と、少し足を延ばして日帰り出来る箇所を、ピックアップしました。


自由学園明日館-1.jpg 自由学園明日館-2.jpg

池袋の住宅街に建ち、本数は多くありませんが、大きなソメイヨシノ等が有ります。
また、今年開催されるか分かりませんが、ライトアップされた夜桜鑑賞(お酒付き)は良かったです!



さくら広場(幕張)-1.jpg さくら広場(幕張)-2.jpg

Panasonicが社有地に開設している公園で、幕張以外に茅ヶ崎、門真、豊中に有ります。
幕張は、その中でも最大規模で、敷地面積32,000uにソメイヨシノが505本配置されており、休憩所の他、噴水や桜を上から眺める様になっている「さくら回廊」が有ります。
建築と言うより、ランドスケープです。



清春芸術村・徹(藤森照信)
茶室 徹(清春芸術村)-1.jpg 茶室 徹(清春芸術村)-2.jpg

都内の桜より開花が遅い、山梨県北杜市に有る清春芸術村。有名な建築家の建物が何棟も建っており、何度も訪れたい場所です。
桜(ソメイヨシノ)は、敷地の外周に植わっており、茶室・徹が桜の中に建っている感じがしました。



これ以外にも、お城や有名建築も有りますが、この時期にしか見る事が出来ない『桜と建築』、運とタイミングが重要な経験かと思います!
posted by nabay at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月20日

武蔵野プレイス

武蔵野プレイス-1.jpgいまどきの公共建築はこんなです。

図書館に生涯学習支援施設やカフェ等が併設されています。


外観は、特徴的な形態の開口部を規則的に配置。
この形態がこの建築のデザインソースになっています。
駅前という立地ですが、低層に抑えて周辺環境や木々とのバランスを取っているように感じます。
また、建物のコーナー部を曲線にして角を消去しています。
「コーナーを曲線」が窓や内部空間まで反映されていて、建築空間全体に柔らかな印象を与えてくれます。


武蔵野プレイス-2.jpg1階エントランスを入るといきなりカフェ。

今までの公共建築にはなかった出会いです。
まるで商業施設のような空間。
ランチをとっている人が多く、満席でした。



武蔵野プレイス-3.jpg内部空間は、各スペースが壁で仕切られていますが、ドアはなく壁が大きくくり抜かれています。
仕切られているような・・・
仕切られていないような・・・
そんな感覚です。

各スペースは平面的に碁盤の目のように連続しています。
そして、吹抜けを介して垂直方向にも連続しています。

にもかかわらず静寂に包まれた不思議な空間。


武蔵野プレイス-4.jpg開口部は適度な大きさで光を取り込み、内部に開放感を与えています。
どこまでが壁なのか、どこからが天井なのか。
マユに包まれたような柔らかな空間です。

この感覚が読書に集中させる装置になっているのでしょうか。
とても落ち着いた気分になります。

しいて言えば、椅子が少し座りにくかったかな、と。


しかし最近の公共建築は気持ちがいいです。


*これらの写真は撮影許可を得て撮影したものです。
posted by suzuking at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月07日

山梨文化会館

          山梨文化会館-1.jpg
メタボ建築の代表作の一つ、山梨文化会館(設計:丹下健三)。
見に行ってきました。

写真家:村井修 氏の撮影した写真(上)のインパクトが脳裏に焼きついていた為か
現物を目の当たりにして少々期待ハズレ感はあったものの
メタボリズムの精神を十分に感じ取れました。


要塞威圧感新陳代謝増殖
そんな印象の建築です。

残念ながら内部は見れませんでしたが、
16本の円筒コアを分散して構造的な柱とし
それらに架け渡された立体格子で全体が構成されています。

9月17日〜森美術館にて、「メタボリズムの未来都市展」が開催予定。
メタボリズム」とは、生物学用語で「新陳代謝」を意味し、「生物が代謝を繰り返しながら成長していくように建築や都市も有機的に変化できるようデザインされるべきである」という思想のもと、1960年代に日本で発表された建築ムーブメント。

リサイクル、省エネ、エコ、サスティナブル・・・。
これらのようなキーワードを重視される現状においてメタボリズムの精神を今一度見つめ直す機会かもしれません。
       山梨文化会館-2.jpg
posted by suzuking at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月02日

東京拘置所

            東京拘置所.jpg

刑事被告人を収容する日本最大規模の施設
旧舎房の時は、故・田中角栄氏や鈴木宗男氏も収容されていた拘置所です。
先日、千葉景子法務大臣が自ら死刑執行に立ち会った現場でもあります。

たまたま仕事で通りかかった際、目に留まった光景で、東武伊勢崎線小菅駅付近より見えるとても威圧的な風景でした。

地上12階、地下2階、高さ約50m、延床面積約8万u、約3000人を収容可能。

平面は特徴的で、中央から舎内を見渡せる「」の形状をしています。

ちなみに手前に見えるオレンジ色の建物は拘置所で働く官舎(職員の住居)です。

刑務所の設計は経験がありませんが、人が生きる最小限の空間、ギリギリの住環境、そしてミニマルな設備、一度は見学してみたい建築です。

この近代的で高層建築の内部から一体何が見えるのでしょうか。
posted by suzuking at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月27日

歌舞伎座

今月の興行が終わると、新築工事の為に建て替えられる「歌舞伎座」。
週末に、無くなってしまう前に、もう一度と思い、銀座に行きました。
歌舞伎座-1.jpg

歌舞伎座に着くと、最後の別れを惜しむかの様に、写真を撮る人や、思い出を絵に残すひとなど、大勢の人が訪れていました。
20年程前に、この歌舞伎座で初めて観た歌舞伎。昼の部でしたが、衣装や舞台の美しさに感動した事を覚えています。
あと、3F席から観ていたからも知れませんが、舞台と席が近い事と、コンパクトな会場にも驚きました。
歌舞伎座-2.jpg 歌舞伎座-3.jpg 歌舞伎座-4.jpg

今の歌舞伎座は、1925年に岡田信一郎が設計して竣工しましたが、空襲により消失した部分を、1951年に吉田五十八の設計で改修された建物です。
当時としては最新技術だった鉄筋コンクリート造を採用し、入母屋屋根が3つ並んでいましたが、改修で中心の屋根が平葺きとなりシンプルな意匠に生まれ変わりました。

新しい歌舞伎座は、2013年の春に竣工する予定です。
完成予想図では、外観は今のイメージを残しつつ後ろ側が高層化する計画でした。
土地の有効活用は分からないでも有りませんが、何故この歌舞伎座まで高層化する必要が有るのか、不思議に思います。
難しいでしょうが、今の様な雰囲気が出る事を希望します。

GWを都内近郊で過ごされる方は、最後の歌舞伎座を見に行かれるのも良いかと思います。
posted by nabay at 18:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月03日

雪国農耕文化センター

棚田.jpg日帰り出張で、新潟まで行ってきました。
木々が茂った山並み、川のせせらぎが心地よく、越後妻有特有の棚田が残る風景。
冬は雪が1〜2m積もり、二両編成の電車は一時間に一本。

雪国農耕文化センター 1.jpgこんな自然に囲まれた山間部に、異彩を放つ白い物体が出現。
MVRDVの日本初作品となる建築を見学しました。
(二作目は表参道にあるGYRE

雪国農耕文化センター 2.jpgMVRDVの持ち味であるダイナミックな形態!
その物体は手足を伸ばして今にも動き出しそうでした。
四方向から斜めにせり上がった階段(動線の箱)が建築全体を持ち上げる大胆な構造。

雪国農耕文化センター 3.jpg内部に入ると一変、今度は色彩の世界。
このギャップに圧倒!
これらのスペースはアーティストとのコラボ作品です。


雪国農耕文化センター 4.jpg真っ黄色な展示空間。





雪国農耕文化センター 5.jpg床、壁、天井、机、椅子全てが黒板色。





雪国農耕文化センター 6.jpgオレンジ色のトイレ。
どの扉から入ってきたか分からなくなってしまいました。



雪国農耕文化センター 7.jpg空又は水中を浮遊しているような感覚のカフェ。





この建築は、越後妻有地域における芸術祭の関連施設。
また、本日(10月3日)から「大地の芸術祭2009 秋版」が開催されます。
ジェームズ・タレル、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー、みかんぐみ、日比野克彦や他の作品も鑑賞できるこの芸術祭も見応えありそうです。
posted by suzuking at 15:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月12日

原爆堂

     原爆堂-1.jpg


     原爆堂-2.jpg


     原爆堂-3.jpg


           原爆堂-4.jpg


建築界で今だ語り継がれる原爆堂(計画:白井晟一)。
反戦の思想と圧倒的な存在感は、1955年の雑誌「新建築」で発表された計画案にも関わらず、色褪せることなく記憶に刻まれています。
posted by suzuking at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月24日

旧吉田茂邸

旧吉田茂邸.jpg
敗戦後の日本を復興に導いた吉田茂元首相の邸宅が、22日に全焼。一般公開される予定になっていただけに残念です。

外国貴賓を招くために建てられたこの建築は、吉田茂元首相と内外の要人が面会した戦後政治史の一舞台であり、1979年には当時の大平首相とカーター米大統領の首脳会談も開かれ、また、孫の麻生太郎首相も幼少期を過ごしたようです。

この旧吉田茂邸は、近代数寄屋建築の巨匠である吉田五十八(よしだいそや)による設計で、木造二階建ての総ヒノキ造り、そして建築だけでなく美しい庭園も見所であります。
なお吉田五十八設計の住宅で一般公開されているものは、吉屋信子邸猪俣邸梅原龍三郎画室(移築)などがあり、日本の伝統的な数寄屋建築をモダンで繊細に表現した空間や佇まいが堪能できます。
著名建築家設計の住宅がこれほど多く一般公開されているのは珍しいくらいです。

最近は「和風」と称して薄っぺらいデザインが多々見受けられますが、数寄屋建築を近代と見事に融合させ、昇華させた、本物の美学を体験するのも悪くないでしょう。

焼失したこの建築が復元され、一般公開されることを切望します。


*やったぜ日本!WBC連覇!
posted by suzuking at 15:23| Comment(0) | TrackBack(1) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月10日

八相の庭

枯山水と言えば、京都の竜安寺方丈庭園が有名です。
白砂に石を配置する事で、縁側から眺めた景色に、誰もが美しさや神秘的な空間を感じるかと思います。
枯山水は、まさに日本文化を表したランドスケープの一つです。

竜安寺と同じ京都に有り、一度訪れてみたかった庭園の一つ東福寺八相の庭』に昨年行きました。
1898年に岡山県に生まれ、日本の庭園文化に新しい創造性を加えた作庭家・重森三玲氏(1898年〜1975年)による庭です。
南庭.jpg
八相の庭』とは、大方丈を囲むように東西南北の四庭が配置され、お釈迦様の生涯における八つの重要な出来事である「八相成道」に因んで命名されました。
まず、大方丈の南側に広がる210坪(約700u)の南庭には、仙人が住む島「蓬莱・方丈・瀛州(えいじゅう)・壷梁(こりょう)」を表した巨石がダイナミックに配置され、渦巻く砂紋が「八海」を表しています。
また、庭の西奥に「五山」になぞらえた築山が有る庭園で、静かな雰囲気の中に、動きを感じる庭でした。

井田市松.jpg 小市松.jpg
西庭には、サツキを刈り込んだ市松模様が美しい「井田」に因んで名づけられた「井田市松」が有ります(写真左上)。
北庭には、敷石とウズマキ苔による「小市松」と呼ばれる美しい庭が有ります(写真右上)。
大きさが異なりかつ、立体的な「井田市松」と平面的な「小市松」との対比が、お互いをより美しく感じさせている庭といえます。

北斗七星.jpg東庭には、白砂の上に配された高さの異なる円柱の石が「北斗七星」を表しています。四庭の中では小規模ですが、小宇宙を感じられる庭です。

我々自身も、建物のコンセプトや雰囲気に合わせたランドスケープをデザインするので、普段から参考になる庭園や名園も良く見学しています。


posted by nabay at 20:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月24日

豊田市美術館

今更ですが、今年の夏の休暇を利用して、一度見てみたかった谷口吉生氏設計の『豊田市美術館』へ行きました。

愛知県豊田市の高台に、1995年11月に開館した近代・現代芸術の総合美術館です。
(私が行った時は、「ブラジル−日本 きみのいるところ」とブラジル芸術を堪能出来る展示をしていました。)

TMMOA-1.jpg TMMOA-2.jpg
この建物は書籍で写真や図面を見ていたので、ある程度は予想していたものの、外観を見て想像よりスケールが大きかった事と、絵になる池のレベルが2階に在り思っていたより高かった事に驚きました。

白の外壁と乳白色のガラスで構成されたグリッド状の目地を持つ建物の前に、緑色のスレートで覆われたフレームで織り成すミニマリズムなデザインは、シャープで美しいの一言につきます。
敷地の高低差を利用した配置やランドスケープに、このデザインが組合される事でボリューム感が減って見えてたのかも知れません。

TMMOA-3.jpg内部空間も面白く、展示室が細切れの様に箱が分散しており、展示室を移動するのにチケットカウンターの前を通過したりして、1階から3階へと螺旋状に回るルートになっています。
また、屋外にも展示されていたりして、敷地を含め美術館全体が開放的で、歩きながら芸術と建築空間を楽しむ事が出来ました。

美術館では珍しく、建造物や常設展示に限り内観写真を撮る事も可能です(建築好きには、嬉しいサービスです)。

TMMOA-4.jpg他に、敷地内に谷口氏が設計した茶室(一歩亭,豊祥庵)があったり、アメリカのランドスケープデザイナーのピーター・ウォーカー氏と共同設計した人工池の夜の雰囲気など、何度も足を運びたくなる建物です。
posted by nabay at 11:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月03日

龍生会館

龍生会館-1電車などから外を眺めていると、興味をそそられる建築や気になる建築を見かけることがあります。
そのひとつとして中央線飯田橋〜市ヶ谷間を通るたびに気になっていた建築が龍生会館龍生派いけばなの本部)です。
電車内から初めて見つけた時、独特のフォルムをしたその建築は、異様な存在感を放っていたのを記憶しています。

龍生会館-2  龍生会館-住居棟

設計は建築家:西川驍(たけし)元日本大学芸術学部教授で、家元の住居棟(1965年)と龍生会館(1966年)が隣り合う2棟構成となっています。
1960年代の建築界はモダニズムが主流で、丹下健三氏などが脚光を浴びている時期でもありました。この建築は、あまり建築専門書等で紹介されてなく、いわば隠れた名作と云えるでしょう。

3階部分の大ホールは、ダイナミックで独特な形態の梁によるキャンティレバー形式で、浮遊しているかのようです。また、コンクリートの荒々しい質感も、この特徴的な形態をより強調しています。
そもそも龍生派いけばなは、「植物の貌(かお)」という定型化した花の活け方から離れて、新たな姿勢で植物に接する方法が基本的な考え方としてあり、まさにその考え方を表現するかのような建築形態と思われます。
龍生会館-池残念ながら内部に入ることはできませんでしたが、吹抜けより見下ろした池からも内部がそれなりの空間であると想像できるでしょう。

また、更なる発見がありましたら記事にしたいと思います。
posted by suzuking at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月12日

善照寺

仕事で台東区浅草付近へ行ったついでに、善照寺 本堂(設計:白井晟一)を学生以来ぶりに再見学。
哲学的・象徴的で物語性に満ちた独自の建築形態、と称される白井建築を久々に堪能しました。
建築家・白井晟一といえば、親和銀行松涛美術館ノアビル等が有名ですが、この善照寺は氏の作品中でも最高傑作の一つと評されているにも関わらず、意外と知られていないのが残念なところです。
善照寺-1
周辺は寺院や昔ながらの民家や商店で街並みが形成されているロケーションに位置し、ひっそりと佇んでいます。
本堂へのアプローチには両サイドに笹が列植され、精神を清める導入部となっていて、更に歩を進めると、シンメトリーの本堂が正面にあり、軒の深い屋根全体が姿を現します。

善照寺-2.jpgよく見ると、壁構造でありながら出隅や開口部に化粧柱を設置して真壁に見せたり、緩やかで深い軒の切妻屋根は住宅を連想させます。
しかし、重厚な屋根よりも敢えて薄くした回廊のスラブを地面から切り離したり、スリット状の開口部や無駄な装飾を排除したディテール、シックな色彩などの構成により緊張感を与えてます。
また、起り(むくり)、反り、組物、唐破風等の形式的な寺院建築を採用しないにも関わらず、寺院の雰囲気を漂わせているところは流石です。
善照寺-3.jpg  善照寺-4
町民文化が栄えた浅草という地域性に、住宅のイメージを抱かせる形態に浮遊感を与えたダイナミックなフォルムを用いて、新たな都市の精神的象徴として計画されたのではないかと想像されます。
posted by suzuking at 14:38| Comment(2) | TrackBack(1) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月12日

世界の名建築100選

Grand-Tour2月11日13:00〜17:00NHK BS2で「夢の美術館 世界の名建築100選 前編」が放送されていました。
世界中の名建築・遺跡・世界遺産を厳選し、日本からは桂離宮、厳島神社、三佛寺投入堂、会津さざえ堂など、海外からはモン・サン・ミシェル、客家円楼、カッパドキア、パンテオン、アヤソフィア、シュバルの理想宮、ロンシャン礼拝堂(設計:ル・コルビュジェ)、森の墓地(設計:グンナーアスプルンド)など、住居から城、宗教施設まで様々紹介されていて、非常に内容の濃いものでした。

改めて考えると、名建築には名建築と云われるそれなりの理由があると思われます。
それは、文化や時代背景を映し出した建築であったり、権力の象徴として建造されたもの、人間の精神性生活スタイルを表現したものなど様々です。
そして、忘れてはならないものが、建築を永遠に存在させるための技術と知恵です。番組では、厳島神社が海上に存在するための知恵・工夫として、床板にスリットを設置したり、あえて床板を固定しないことで波の衝撃を本堂まで伝えないような技術も紹介していました。
これはほんの一例ですが、法隆寺五重塔の心柱で知られる柔構造など、現在でも昔の技術を応用した例が多々あります。
先人達の素晴らしい技術や知恵を見習うべきところがまだまだあるかもしれません。

2月16日(土)13:30〜17:30NHK BS2で「夢の美術館 世界の名建築100選 後編」が放送されます。
補足ですが監修・解説は、建築史家であり建築家の藤森照信氏です。
posted by suzuking at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月16日

GYRE

11月2日、東京・表参道にMVRDV+竹中工務店共同設計によるGYRE(ジャイル)がオープン!

GYRE-1回転する」というコンセプトでデザインされたこの建物は、一層一層が回転したようにねじれ、それにより生じた隙間・空間にテラスを設けて、それらを繋ぐように外部階段で建物外周を囲うように上っていくこともでき、渦、回転を体現しています。
よって建物外観は複雑な形状をしており、表参道の並木を意識した環境の配慮というよりも、自己主張の強い形態となっていますが、仕上を控えめにした影響か、それほど奇抜なデザインという感じではありません。
様々な形態規制等あったと思われますが、個人的には、MVRDV(オランダの建築家集団)の設計としてはやや控えめだったような印象を受けました。
内部空間は、吹き抜け・エレベーターを中心に、各テナントが配置された一般的な平面計画で、外観とは全く正反対で合理的なレイアウトでした。ズレ・渦・余白・混沌・複雑的なスペースを期待したのですが・・・。

GYRE-2内部共用部を含む商環境のデザインは、エイジ:佐藤一郎氏によるもので、透明感のある「白」と「黒」を基調としたクールな空間です。




MoMA Design StoreGYRE内のショップで注目すべきは、MoMA Design Storeです。
アメリカ以外の海外第一号店となるこのショップは、MoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久所蔵品や、美術館の限定商品をはじめ、MoMAのキュレーターによって厳選されたインテリアグッズや日用品、アクセサリーなど約1800のアイテムが揃っています。

EYE of GYREまた、2階にあるギャラリースペース「EYE of GYRE」では、現在MVRDVの建築展が開催されています。各プロジェクトの模型・図面・CGが無料で見ることができます。
更に、FeliCa対応の携帯電話で、サインに触れてGYREに繋がるとポイントが加算され、世界を良くすることに参加できるシステムになっているようです。

「渦」という意味を持つGYREは、ハード・ソフトそれぞれどのように個々、環境、世界と繋がり、エネルギーや情報を発生させてくれるのでしょうか。

〜個人的にGYREのウェブサイトがお気に入りです!〜

posted by suzuking at 19:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月24日

国立西洋美術館

国立西洋美術館1  mp-2.jpg  

先日、フランス政府が東京・上野の国立西洋美術館本館を世界文化遺産に推薦することを検討しているニュースがありました。

国立西洋美術館と言えば、近代建築の巨匠であるフランス人建築家ル・コルビュジエ(1887−1965年)による国内唯一の設計で有名です。
貝殻のように螺旋状に発展可能な「無限に成長する美術館」をコンセプトとして計画され、実施設計を弟子であった坂倉準三、吉阪隆正、前川國男らが分担し、1959年に竣工しました。
当初の基本計画は、美術館の他に折板傘状屋根の総合展示場と劇場施設を併せての総合文化センターでありましたが、厳しい予算の前にあえなく夢のプロジェクトとして終わってしまいました。残された美術館も縮小を余儀なくされたそうです。

その後、前川國男により新館、企画展示館が増築され、1998年には地下を含め全てを地盤から絶縁する大規模な免震レトロフィット工事(日本初)を行い、当時話題になりました。

当時美術館構想の際に、一度来日をしているコルビュジェは、東京・京都・奈良等を視察し、桂離宮卍字亭の四ツ腰掛、先斗町の路地空間、杉苔の美しさ、富士山、料理の盛り付け等に、高い関心を示したというエピソードがあります。特に興味深いのは、桂離宮卍字亭のスケッチが美術館のプランに影響していると思われる点です。
また、東京の街を車で移動しながら、木造都市の不可を説き、低層住宅の不可を嘆き、自動車・歩行者の混乱を見て、「日本に一番必要なのは都市計画だ。それは建築家の責任だ。」と語っていたそうです。

現在、世界規模でコルビュジェ設計の建築物を世界遺産に登録しようとする運動が行われています。また、東京・六本木の森美術館では「ル・コルビュジェ展」が開催されています。改めて、現代の建築に多大な影響を与えた巨匠の作品に触れてみたいと思ってます。
posted by suzuking at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月31日

建築デザインの傾向

御茶の水スクエア我々が建築を学んだ学生時代は、ポストモダン全盛期で建物の構成は様々な形態・色彩・歴史的様式の引用などの奇抜な建築が多々誕生し、造っては壊しの繰り返しで、まさにバブル経済を象徴するかのような傾向にありました。



コイズミライティングシアターバブル経済の末期にはポストモダン時代から一時ディコン(脱構築)的な流れにシフトしたかと思うと、瞬く間に消えて行ったような感がありました。





平等院鳳翔館その後バブル経済が崩壊し、建築の流れは社会と同じようにチープシックな、ミニマル的なものがもてはやされ、色彩もモノトーン・クールテイストが主流となり、直線的な形態になっていったようです。



最近になってようやく、デザインの領域は建築に留まらず家電・雑貨等まで波及し、空間をトータル的な見方で構成する傾向が市民権を得たようです。(当然建築家は以前からこのようなトータルコーディネートを実践していました)

花みどり文化センター経済もやや上向きになるにつれ建築としては直線的なものよりも曲線的なもの、単純化よりも複雑化、スクラップ&ビルドよりもサスティナブル(持続可能)なものが徐々にキーワードとなりつつあります。
これらは日本だけでなく世界的にも同じことがいえると思います。

建築家にはその時代に合わせてデザインも変化させるタイプと、独自のデザインを貫き通す芸術家タイプの2種類に分類できますが、社会・経済の流れと建築デザインは密接な関係で動き、変化していくのが読み取れます。

科学技術が進むと文化が空洞化するということをある学者が言ってましたが、デザインも同じことで、我々日本人として日本的な要素を少しでも注入することでそれがデザインの起爆剤になるのではないのでしょうか。
posted by suzuking at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月28日

メゾンエルメス

3.jpgつい最近まで全然知りませんでしたが、銀座にあるイタリア人建築家レンゾ・ピアノが設計したメゾンエルメスの8Fフォーラムが入場無料のギャラリーだったとは・・・。

先日仕事で銀座に行く機会があり、ついでに建築鑑賞をしている際に発見!
その時は写真家・木村伊兵衛展が開催されていました。

1階正面入口から、どう見ても買い物客として見られていないだろうなと思われながら気まずい心境で奥にあるエレベーターまで進み、8Fへ行くと2層吹抜空間はガラスブロックとかなり細い円柱で構成されたギャラリーになっていました。
現在は6/10まで「メゾン四畳半/藤森照信」展が開催されています。

1.jpg  2.jpg

エルメスが文化的活動の発信拠点としているギャラリー空間をつくったことに意義があると思われますし、何より世界的建築家であるレンゾ・ピアノが設計した建築空間を展示会付きで、しかも無料で鑑賞できることはありがたいことです。

今後開催される展示会も要チェックです。

posted by suzuking at 10:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月06日

横浜へ-横浜港大さん橋国際客船ターミナル-

YIT02.jpg  YIT01.jpg
今週、仕事の関係で横浜へ行ってきました。

村野藤吾の設計による横浜市役所中心に敷地関係の調査をしに行き、仕事も終わったので、私の希望で『横浜港大さん橋国際客船ターミナル』の見学をしました。
ここは、客船ターミナルの屋上がウッドデッキ(イペ材)で覆われており、形状が波打ってます。また一部に芝が張られており、海辺の休憩所として、寝そべってたり散歩したりする人が沢山いました。

イペ材は、基本的にはメンテナンスフリーと呼ばれる高耐久性木材ですが、経年劣化による色あせはします。初めは茶色でも写真のように灰色に変わります。住宅やマンションで使用する場合、色あせを理解していただいてから設計する必要があります。

横浜港大さん橋国際客船ターミナルは、1995年の国際コンペでFOA(Foreign Office Architects)が当選し設計、2002年に竣工されました。

ランドスケープを意識した建築として、今後も影響を与える建物だと思います。あとウッドデッキのディテールが勉強になりました。
posted by nabay at 13:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月13日

前川國男邸

MAEKAWA-HOUSE1.jpg
先日、江戸東京たてもの園にある前川國男邸(復元)を見学してきました。

前川國男と言えば、日本建築界の巨匠の一人です。現東京大学卒業後、ル・コルビュジェに師事、アントニン・レーモンド事務所勤務後に独立、東京文化会館をはじめ紀伊國屋書店等、数々の名建築を設計してきました。
映画界で言う、小津安二郎的存在だと思います。

前川國男邸は、木造2階建の切妻屋根で、外観は氏が設計してきたモダニズムな建築と比べると、意表をつかれました。
しかし、内部空間は圧巻でした。ル・コルビュジェから学んだ近代建築の空間構成に、レーモンド事務所の意匠、そして様々なディテールの工夫。
『建築は、空間を体験してこそ価値がある』と、感じさせてくれた建物でした。

江戸東京たてもの園は、小金井公園にある施設の一部です。
暖かくなってきましたので、散歩がてらやお子様を連れて是非足を運んでみて下さい。他の施設もあるので、十分楽しめると思います。

(レポート by suzuking)
posted by nabay at 02:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 建築・ランドスケープ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする